感動するマーケティング

レターポットに学ぶ!コミュニティを味方につけるマーケティング

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こんにちは。(株)トライバルメディアハウスで、日々さまざまなブランドのファンづくりやファンを巻き込むマーケティングの支援をしている田中陸也(@RuuieTanaka)です。

前回の記事では、これからの時代におけるブランドづくりとして「コミュニティ価値の最大化」の重要性をまとめました。

 

今回は、今まさに「コミュニティ価値」を高めながらブランドづくり(事業づくり)をしている、キンコン西野さんの新サービス「レターポット」を取り上げて、ブランドづくりの具体的な手法を、「コミュニティを味方につける3つのコミュニケーション」として整理してみました!


ちなみにレターポットは、 2017年12月にローンチされてからたったの2~3ヵ月で既に約5万人ユーザーを抱えるサービスで、いわゆる「広告(ペイドメディア)」は一切打たずに、ファンを巻き込みながらブランドを成長させています。

ビジネスにおいても天才の西野さんのやり方からは、本当に学べることが多いですので、ぜひ読んでみてください!

 

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そもそもレターポットとは?

レターポットとは、1文字(=1レター)を5円で購入し、そのレターを使ってメッセージを贈りあうことができる「文字を通貨」にしたサービスで、誰かに感謝したいときや応援をしたいときに、「価値の乗ったメッセージ」として、自分の気持ちを手軽に贈りあうことができるサービスです。 

 

これにより、「メッセージだけじゃ軽い気がするけど、モノやお金を贈るほどでもない」というような、これまで見過ごされていた感謝や応援の気持ちを贈り合う世界が作れる、本当に素晴らしいサービスだと思います。


イメージがわかない方は、この西野さんのブログ記事や、ユーザーの目黒さんがまとめた図解がわかりやすいので見てみてください。

ただ、正直使ってみないとこのメッセージをもらった時の感覚は理解できないと思います。

まだ使ったことない方は、 今回のブログの感想を以下の僕の【レターポット】宛にいただければ、御礼レターをお返しします !

letterpot.otogimachi.jp


また、「レター買うのはちょっと・・・」という方は、このブログへの感想やご質問を僕のTwitterアカウント「@RuuieTanaka」をタグ付した上で、「この記事のURL + ご自身のレターポットのURL」をツイートしていただければ、御礼のレターをお贈りします!


ちなみに、レターポットは、今バズワードになりつつある「トークンエコノミー」の文脈でもその設計力がすごいと感じています。ここについてはまた別記事で書きたいと思います。

 

コミュニティを味方につけ、広告なしでユーザー数約5万人! 

冒頭でも述べましたがレターポットは、「広告(ペイドメディア)」を打たずに たった2~3ヵ月で既に5万人近くのユーザーを抱えるサービスに成長しています。

これを実現させているのが、 レターポットの目指す世界観に共感して「応援したい・貢献したい・一緒に創りたい」と思っているファンの集まり(=コミュニティ)の存在です。 

西野さんはよく「共犯者を増やす」という話をされますが、まさにこのレターポットは、通常であればブランド側が担ってしまうあらゆるプロセスに、コミュニティを巻き込んでコミュニティと共にブランドを創っています。

 

その結果として、例えば前述の目黒さんの図解のように、サービスをわかりやすく説明したUGC(User Generated Content:SNS投稿/ブログ記事/動画などのユーザーが制作したコンテンツ)が、どんどん自主的に生まれています。

 

他にも、動画を作っている人もいれば、

www.youtube.com

 

 レターポットがサーバーダウンしてしまったときに、復旧のお知らせに使われているイラストもファンが書いたものです。

 

極め付けには、レターポットでレターを贈ると料金が半額になるキャンペーンを、ファンであるバス会社が自発的に実施していたりします。

letterpotキャンペーン第一弾| 夜行バス予約サイト【バスのる.jp】

  

これらは本当に本当に「ほんの一部」で、普通ならブランド側がお金を使って作るようなコンテンツを、ファンが自ら生み出してくれているのです。

そしてこのようにファンを味方につけながら、サービスを成長させているのです。

 

ではこのような状況をどのように西野さんが作りだしたのか。3つのコミュニケーションに分けて具体的にみていきます。

コミュニティを味方につける3つのコミュニケーション

前回の記事で書いたように、ブランドの周りにコミュニティができるには、「商品やサービスがもたらす体験価値(= What)の向上」だけでは難しい時代になっていて、「Whatを提供する社員=Who」や、その「背景にある想い=Why」まで含めて、ユーザーの共感をつくることが必要です。

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西野さんまさに、この三位一体を作りながらコミュニティを形成し、

そのコミュニティと共にWhatの価値(レターポットというサービスとしての価値)をより高めていったり、コミュニティが生み出すクチコミやUGCを起点にユーザー数を増やすなど、まさにコミュニティと共にブランドを創っていっています。

このような、コミュニティを味方につける状況を作り出しているのが、今回のテーマの「コミュニティを味方につける3つのコミュニケーション」です。

 

①高密度コミュニケーション

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コミュニケーションは一般的に、個々へのコミュニケーションの質は浅くなるが多くの人にリーチできる「低密度なコミュニケーション」と、質は深いがリーチできる人数が少なくなる「高密度なコミュニケーション」に分けられます。

マス広告やデジタル広告が発展した現代においては、いかに効率よく多くの人にブランドを知り購入してもらうかを追求した効率重視の「低密度コミュニケーション」が重視されていると思います。

 

しかし、昔の商店街で店員とお客さんが深いコミュニケーションを図りながら店のファンを作っていた時代のように、ファンづくりのためには、一見非効率な「高密度なコミュニケーション」に原点回帰することが重要だと考えています。

(効率重視のコミュニケーションは必要ないという意味ではありません)

 

まさに西野さんもここに力を入れており、一度に相手にできる人数は限られているけど、着実に少しずつ西野さんの想いやレターポットが描く世界観に共感し応援してくれる「仲間づくり」をしています。

 

具体的には、

なぜレターポットをつくろうと思ったのかなどのブランドの「Why」や、その想いを実現する世界をレターポットというサービス(=What)でどのように体現していくのかを、西野さん(=Who)が直接説明する機会を、驚くほどたくさん作っています。

 

例えば様々なイベントへ積極的に登壇していることが挙げられますが、個人的にすごいなと思ったのは、Facebookライブ配信を活用して、合間の時間でも、見てくれる人に対して何度も何度も直接説明をしていることです。

m.facebook.com

 

ここでは閲覧者に問いかけてリアルタイムにコメントを拾い上げて丁寧に説明をしています。まさに「高密度なコミュニケーション」です。

 

また、レターポットを使い始めたばかりの人に、西野さん自らレターを贈ることで、作りたい世界観を自ら体現したりしています。

これも、コミュニケーションする相手は「たった一人」ですが、もらった相手の心は大きく動かされます。 (僕も贈ってもらい感動しました)。

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このように、WhyやWhoへの共感を作ることに近道はなく、地道なコミュニケーションが重要です。

特に、大企業はどうしても「効率重視」のコミュニケーションに偏重しがちですが、 急がば回れで、 ファンは一足飛びに増えるわけではないことを認識することが重要だと思います。

 

ちなみにコミュニティが形成されると、この「高密度なコミュニケーション」をファンが担ってくれるので、ファンがファンを呼ぶ理想的な状態になります。そのためにも、まずは少しずつでも着実に「仲間」を増やしていくのです。

 

②What共創コミュニケーション

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WhyやWhoに共感してくれる仲間ができたら、その中でもより熱狂的なファンを「Whatの共創」に巻き込むことが有用だと思います。

 

Whatは、その商品やサービスからもたらされるあらゆる「体験」であり、ユーザーのブランド体験そのものを作る非常に重要な部分。この体験価値の向上が、ブランドのファンをより増やしていくことに繋がります。この体験価値の向上に、熱狂的ファンの力を借りるのです。

 

西野さんの場合は、西野亮廣エンタメ研究所」というFacebookグループのオンラインサロンが、この共創の場として機能しています。

 

有料サロン内の情報なので少し抽象的な話になりますが、素晴らしいと思ったのが「ファンの持つ資産を活かした巻き込み方」です。

ファンを巻き込む際によくありがちな間違いが、ブランド側が求める貢献してほしいポイントと、ファンが持つ資産(知識やスキル)がマッチせずに、結果的に価値共創ができないケースです。

 

この場合、ブランド側がファンの持つ資産を把握しないまま、「何でもいいから自由に貢献してください」とか「資産にマッチしない部分での貢献を要求する」などの間違いがあります。

 

一方西野さんの場合は、見事にファンの持つ資産を活かした巻き込み方になっています。

 

例えばレターポットを使い倒しているユーザーだからこそ聞ける「この機能が必要か」「このボタンはどこの位置がいいか」などの問いかけだったり、

レターポットの目指す世界観を認識しているからこそ価値が発揮される「機能の名称アイデアの募集」 「新規ユーザーを増やすための施策出しワークショップ」などの巻き込み方をしています。

 

これは、「レターポットを使い倒している」や「レターポットが目指す世界観を認識している」といった、ファンの人たちが持つ資産を認識したうえで、その資産を持つからこそ価値が発揮できるような「巻き込み方」を、西野さんがしているということです。

 

サロン内の各問いかけには、百前後~数百コメントも集まっており、ものすごく活発なやり取りがされています。そしてそのやりとりの結果が、驚くほど速いスピードでどんどんサービス改善や施策に反映されており、Whatの価値を高めることに活かされています

 

UGC創出コミュニケーション 

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3つ目は、ファンになってくれたユーザーのクチコミやUGC(User Generated Content:SNS投稿/ブログ記事/動画などのユーザーが制作したコンテンツ)を増やすためのコミュニケーションです。

ここがなされているからこそ、高密度なコミュニケーションで作ったファンが、新たなファンを連れてきてくれる好循環が生まれています。

 

このコミュニケーションで重要なのが、「a.リテラシー向上」「b.気持ち向上」「c.行動のきっかけ作り」。 この3つがなければ、なかなかファンが自ら進んで推奨したりコンテンツをつくってくれません。 

 

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まず最初に、 クチコミやUGCを作れるようなブランドに関する「a.リテラシー(知識)の向上」です。

ここは前述の、高密度のコミュニケーションにより西野さんが直接語りかけていたり、ファンが生み出したクチコミやUGCが効いていたりします。 

 

これ加えて素晴らしいのは、西野さんがユーザーの状況をしっかりとウォッチしながら、どんどんリテラシーのネタを増やしていっていることです。

例えば、冒頭で紹介したレターポットをわかりやすく図解化したデザイナーの目黒さんの場合、わかりやすく説明してくれたことに対して、他のファンたちからたくさんの感謝の「レター」が集まりました。そしてこの時点で、目黒さんはデザイナー活動をより充実させるためにPCのmacを買うお金をpolcaという個人版のクラウドファンディングサービスで募集しました。

すると、レターを贈ってくれた人たちが、polcaの方でも彼女を支援し、結果10万円以上のお金を集められてmacを購入できたという話があります。

 

こういうストーリーも、西野さんが見つけてブログやイベント、Live動画で発信していくので、ファンが語れるストーリーとしてのリテラシーがどんどん増えていくのです。

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このように、リテラシーを様々なストーリーとしてどんどん増やしているので、語られるネタが尽きません。ファンが語れるネタを増やすことは、すごく参考になる点です。

 

次に、リテラシーが高まっているだけではいけません。それを誰かに伝えたいとか、伝えることでブランドに貢献したいといった「b.気持ち向上」が必要です。

ここについては、西野さんがレターポットに関するツイートやUGCを全て「ちゃんと見ている」ことを伝えていることや、実際に参考になったクチコミやUGCがあれば、どんどん西野さんのブログやソーシャル、トークで取り上げてくれる点が効いています。

 

ファンは取り上げられることですごく嬉しい気持ちになるし、ちゃんと見てくれてるんなら自分も貢献したい、貢献するのは無駄じゃないという気持ちになります。

 

また、レターポットのtwitterアカウントも(これも非公式のファンが運用しているアカウント)一役買っています。#レターポットをつけて投稿したツイートは、ほとんどRTしてくれています。それによって、レターポットについて語りたくなる気持ちが高まります。

 

最後に重要なのが、実際にクチコミやUGC作成という行動に移してもらうための、「c.行動のキッカケづくり」です。

 

ここは、けっこう多くのブランドが忘れがちの部分。語れるリテラシーがあり、語りたい気持ちがあったとしても、「語れる空気になっているか」が非常に重要です。

 

ここで西野さんの場合うまく機能していた事例が、「ハレノヒ事件」を受けて開催された、「リベンジ成人式」です。

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かなりTVにも取り上げられていたので、ご存知の方も多いでしょう。このリベンジ成人式の支援をレターポット事業の収益で行い、成人宛へのメッセージをレターポットで募集するなどして、結果的にレターポットの話をファンがしやすいような、世の中の話題づくりをしています。

 

もちろん、単なる話題づくりには意味がなく、しっかりとブランドが作りたい世界観に沿った方法での話題化(PR)がなされていることが重要です。

すると、「ねえねえ西野さんがリベンジ成人式するの見た?」といったように、自然な形でレターポットが話題にあがりますし、語る側も自信を持って他人にブランドを勧めることができます。

 

つまりこのようなブランドの世界観を体現したPRは、ファンがファンであることの自信や誇りに繋がりますし、他の人に話す話題のきっかけにもなっているのです。

 

最後に

レターポットの場合、西野さんのような有名人だからできているのでは?とか、スタートアップだから可能なのでは?と思う方もいるかもしれません。

しかし、今回紹介したようなコミュニケーションフェーズは、程度の差はあれど、さまざまな熱狂カンパニー(熱狂者を抱えるブランド)が既に実践しています。

 

また、僕が今トライバルメディアハウスで支援している大企業のブランドでも、このような考え方を取り入れてファンづくりにチャレンジし始めている会社もあります。

ぜひ、ご自身の会社に当てはめたときに、どんなことができそうかを考えてみるキッカケにしていただけると、すごく嬉しいです!

 

以上、こちらのブログへの感想やご質問があれば、こちらのFbグループ「評価経済時代の真ブランドづくり」でいただいてもいいですし、レターポットをお持ちの方はレターポットで感想いただけると嬉しいです!

letterpot.otogimachi.jp

 

冒頭にもいいましたが、「レター買うのはちょっと・・・」という方は、このブログへの感想やご質問を僕のTwitterアカウント「@RuuieTanaka」をタグ付した上で、「この記事のURL + ご自身のレターポットのURL」をツイートしていただければ、御礼のレターをお贈りしますよ~!

では!

モノからコトの先へ!評価経済時代のブランドづくり「コミュニティドミナントロジック」とは?

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こんにちは。(株)トライバルメディアハウスで、日々さまざまなブランドのファンづくりやファンを巻き込むマーケティングの支援をしている田中陸也 (@RuuieTanaka)です。
 
さまざまな方面の方から、「絶対ブログを始めたほうがいい」という声をいただき、今回ブログを始めることにしました!
 
テーマはズバリ、
評価経済時代の真ブランドづくり』
 
資本主義から評価経済・価値主義へ、経済の大きなパラダイムシフトのさなかにいる現代、企業のブランドづくりやマーケティングにも大きな変化が求められています。
この新たな時代の「ブランドづくり」について、考えていることを発信していこうと思います!
 
第一回目の記事では、これからのブランドづくりの最もベースとなる考え方を自分なりに整理しました。
 
端的に要約すると、「モノからコトへ」「機能価値から体験価値へ」という話を最近もよく耳にしますが、この”コト価値”や”体験価値”の最大化をブランドづくりのゴールにしていては、今後勝てなくなるのではないかと考えています。
 
なぜなら、顧客がブランドを選ぶ選択基準が、「こんなモノがほしい」「こんな体験がしたい」というモノやサービスがもたらす体験に寄った選択基準だけではなく、「このブランド(この人)から買いたい」「このブランドを応援したい・貢献したい・つながりたい」といった感情を持てるかが、選択基準として重要になってきているからです。
 
そこで、そのような変化でも選ばれるブランドになるための考え方を、「コミュニティドミナントロジック(C-Dロジック)」(造語です)という概念で整理してみました。
 
ぜひ読んでいただけると嬉しいです!
 
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「サービスドミナントロジック」とは?

まず最初に、「グッズドミナントロジック(以下G-Dロジック)」と「サービスドミナントロジック(以下S-Dロジック)」という考え方を振り返ります。(既にご存知の方は読み飛ばしてください)
 
この考え方は、2004年にマーケティング研究者であるロバート・F・ラッシュとステファン・L・バーゴによって提唱された考え方です。
 
咀嚼して説明すると、G-Dロジックは「商品そのものの機能的価値の最大化 」を目指す概念で、S-Dロジックはモノをサービスの一部と捉え、「サービス全体としての体験価値の最大化」を目指す概念と整理できます。
 

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モノが溢れる以前の高度経済成長期の時期は、まさに「G-Dロジック」の時代で、消費者の機能的なニーズが満たされていなかったので、商品自体の価値を高めることに意味がありました。(テレビをカラーにする、洗濯機を全自動にするなど)
 
しかし、モノが溢れてくると、なかなか機能的な差別化難しくなり、例えば冷蔵庫だと「ペットボトルが●本入る」「消費電力を●%下げよう」など、「G-Dロジック」の範囲での価値向上では、競争が厳しくなりました。コモディティ化という状況です。
 
そこで最近言われているのが、「S-Dロジック」の考え方です。
例えば冷蔵庫なら、「冷蔵庫の中身を把握してその食材で作れるレシピを提案しよう」とか「冷蔵庫の開け閉めで高齢者の見守りをしよう」とか、購入後の利用フェーズも含めて「どんな体験を提供すると価値が最大化するか」という視点で、冷蔵庫を単なるモノではなくサービスの一部として捉えます。
 

S-Dロジックでよく出てくる例としては、「ナイキ+」もあります。

あれは、ランニングシューズそのもののモノ価値だけでなく、そのシューズを履いてランニングする利用フェーズも含めて、距離やペースの測定や記録化といったサービスでランニング体験の価値を高めた、まさに「S-Dロジック」の考え方です。

 

つまり、 「G-DロジックからS-Dロジックへ」 という考えは、ここ数年あらゆるところで言われ続けている「モノからコトへ」とか「機能価値から体験価値へ」という考え方と同じで、今の世の中の大きな潮流でもあります。
 

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しかしこれからの時代、さらにその先に行く必要が出ていると思います。それが今回整理した「コミュニティドミナントロジック(以下C-Dロジック)」です。

 

「コミュニティドミナントロジック」とは? 

まず前提として、C-Dロジックの概念はS-Dロジックを否定するものではありません
むしろすごく重要だと思っていますが、S-Dロジックだけでは勝てなくなるというのが今回考えたことです。
 
C-Dロジックとは、体験価値(S-Dロジック)をコミュニティ価値向上のための手段として捉え、「コミュニティ価値の最大化」を目指す概念です。
 

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ここでいうコミュニティとは、オンラインコミュニティなど一部の人が特定のプラットフォームに集まるという”機能としてのコミュニティ”ではなく、「共通の想いに共感した人たちで形成される共同体」というもっと広義の意味で考えています。(宗教が近い考え方かもしれません)
 
もう少し具体的にいうと、そのブランドの体験(商品・サービス・社員など)に触れる中でそのブランドが持つ想いや価値観に共感し、そのブランドを「応援したい・貢献したい・守りたい・共に創っていきたい」、そんな気持ちを持った人たちを指します。
 
そしてこのような共通の想いを持った人たちをブランドの周りに増やしていくことを、「コミュニティ価値を高める」と呼んでいます。(コミュニティ価値の高め方は、今後別ブログでまとめます)
 
 
次に、このコミュニティ価値を語る際に切っても切り離せない考え方として、「Why」「Who」「What」の説明をします。この3つの整合性がコミュニティ価値向上には非常に重要です。
 

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まず「Why」とは、 「何故その体験価値(商品やサービス)を提供するのか」という、ブランドが持つ”想い”のことです。
コミュニティ価値を高めるためには、顧客が共感する「想い」が必要不可欠です。
例えばC-Dロジック観点でブランド創りをしている先端企業であるクラフトビールメーカーの「ヤッホーブルーウィング」には、「ビールに味を、人生に幸せを」という想いがあります。
 
 
二つ目が、「Who」です。「Who」とは、その商品やサービスを提供している社員(トップ含む)のことです。コミュニティ価値を高めるためには、社員自身がWhyに「共感」し「体現」していることが重要です。そんな社員を知ったり触れ合うことでコミュニティ価値は高まっていきます。
 
前述のヤッホーブルーイングしかり、コミュニティ価値を高められているブランドは、このWhoの領域にも非常に力を入れており、社員がWhyに共感し体現するような社員づくりを行っています。
 
ちなみに、体現している姿を顧客に見せたり感じてもらうためのコミュニケーションもセットで重要です。これまでのマーケティングでは、社員が顧客の前に出ていくことは少なかったと思いますが、C-Dロジックの観点では社員が出ていくことが非常に重要になってくると考えています。(このあたりも今後別ブログでまとめます)
 
ヤッホーブルーイングでも「密着プレイ」という名のもと、社員と顧客がさまざまなイベントや取り組みを通して触れ合う機会を作っています。
 
 
三つ目が、「What」です。これは、商品やサービスといった形で実際に顧客に提供している体験を指します。
 
ここで重要なのは、このWhatもWhyをしっかりと体現していることです。単に体験としての価値が高いだけでは、この時代すぐに他社に真似をされてコモデティ化してしまうと思います。
 
 
コミュニティ価値を高めるためには、この3つを整合性ある形で設計し、顧客に実感してもらうことが重要だと考えています。
 
ちなみに「S-Dロジック」の考え方は、このWhatの部分の価値を最大化させようという概念と整理できます。
ここがS-Dロジックでのブランド創りと、C-Dロジックでのブランド創りが取り扱う(重視する)領域の異なる点です。 
 
では次に、C-Dロジックでのブランド創りがなぜ重要なのかを説明します。 

C-Dロジックが重要な3つの理由

大きく3つの理由があると考えています。

① 消費者の選択基準が「C-Dロジック」に移行

冒頭でも述べたように、これからの時代の消費者は 「このブランド(この人)から買いたい」「このブランドを応援したい・貢献したい・つながりたい」といった 「C-Dロジックの観点」が選択基準としてより一層重視されると思います 。
 
この背景には、個人の価値観が「お金」や「モノそのものの実用的な価値」から、より感情的な価値(やりがいや共感)や社会的な価値(社会課題への貢献や応援)を重視するようになっているという「個人の価値観の変化」が関係しています。
(詳細を知りたい方は書籍「お金2.0 (NewsPicks Book)0」をご参照。かなりの良書です)
 
特に30代以下は、この価値観の変化が顕著です。
心理学者マーティン・セリグマンが唱えた「人間の五種類の幸せ「達成・快楽・良好な関係・意味合い・没頭」をベースにした、書籍「モチベーション革命 (NewsPicks Book)」 の中の話がわかりやすいです。
 
要約すると、高度経済成長期やバブル期を経験した40代以上は、与えられた目標に向けがむしゃらに頑張ることが成功に直結(成長やお金)する時代で、かつG-Dロジック全盛で新たに欲しいと思えるモノがどんどん生まれていた時代だったので、金銭欲や物欲を満たすことでもたらされる「達成」や「快楽」に強く幸せを感じるそうです。
 
一方で、バブル期以降を過ごしてきた30代以下は、社会環境の変化からただがむしゃらに頑張ることが成功には直結するわけではなく、価値観やビジネスも多様化する中で自ら目標や目的を設定する必要がある時代なので、より「何のためにするのか」「何をしたいのか」「誰としたいのか」といった、「良好な関係」や「意味合い」に強く幸せを感じるそうです。
 
つまり、このような個人の価値観の変化があるので、単にサービスとして「いい体験」を提供してくれるブランドより、「応援したい・貢献したい・繋がりたい」と思わせてくれたり、その機会を提供してくれるブランドが、今後選ばれると思います。 
 

② 外部環境への適応力が高まる

テクノロジーの進化が著しく、個人の価値観も多様化していく現代において、ビジネス環境はこれまでと比べものにならないスピードで変化していきます。
そんな中、Whyは変えなくてもWhat(商品やサービスとして提供する体験)は環境にあわせて柔軟に適応させていく必要があります。
 
このとき、 これまでのような中央集権的に一部のトップ層だけが考えていては、どうしても変化に気づくスピードが遅くなったり、そもそもズレた考えを持ってしまいます。
 
いかに現場の社員一人ひとりがそれぞれの立場で自発的に考えてくれるかが重要です。
そのためにもWho領域で社員のWhyへの共感度や体現度を高める取り組みは重要です。
 
そしてもう一つ、コミュニティ価値が高まっていれば、顧客側からアラートやヒントが得られたり、彼らと共に変化への対応を考えることもできます。
 
また、提供する体験(商品やサービス)  が変化したときも、一から顧客に説明(プロモーション)して回らなくても、コミュニティの中で顧客同士が使い方や考え方を教えあったり広めてくれます。
さらに、提供する体験自体が未完全や多少の不備があったとしても、コミュニティがそのブラッシュアップを手伝ってくれたりもします。
 
つまり、外部環境がどんどん変化する現代において、C-Dロジックの観点で創られたブランドは、変化への適応力が非常に高いブランドになることができます。

③ コミュニティが強力なブランド資産に

インターネットやソーシャルメディアの普及で、個人の「発信力」が高まりました。
また、情報過多の現代では企業の広告は効きにくくなり、代わりに「自分が信頼する誰かからの情報」への信頼が非常に高まっており、個人の「影響力」も高まっています。
 
つまり今の時代、企業からの発信ではなくていかに「個人からの良質な発信を増やせるか」は大きな命題です。
 
そんな中、コミュニティ価値を高められているブランドは、「貢献したい」「応援したい」「守りたい」という人たちがいるので、個人が周囲に発信したり推奨したりしてくれます。
 
また、他にもファンからヒントを得てコミュニケーションのヒントを得えたり、ファンとの関わりで社員のモチベーションを高めたりなど、さまざまなプラスの効果をブランドに与えてくれます。(単にブランド認知が高かったり、イメージがいいだけではこのような効果は得られません) 
 
つまりコミュニティ価値が高まっていることは、バランスシートには現れないが重要な「ブランドの資産」の構築であり、ここが築けているブランドとそうでないブランドでは、マーケティングや組織づくり等様々な面で雲泥の差がでてくるのです。
 
以上の3点から、これからの時代は「C-Dロジック」のブランド創りの重要性です。
 
ぜひみなさんのブランドでも「C-Dロジック」の観点で自社の状況を振り返ってみてください!

  最後にご報告!

この度、ブロックチェーンベースのソーシャルメディアを創るスタートアップ、ALISの日本のアンバサダーに選ばれました!

 
ALISとは、今年9月にICO(暗号通貨ベースでの資金調達)で、シードフェーズで日本円換算約4.3億円を調達した、日本のブロックチェーンビジネスを引っ張るスタートアップです。
この会社、 まさにC-Dロジックの観点でコミュニティ価値を高めながら世界を変えようとしている、素晴らしい「想い」をもった会社なんです!
 
この記事わかりやすいので興味ある方はぜひ!
 
ALISの取り組みについは、今後ブログでもまとめていきますし、この取り組みにより一層拍車をかけていくところに、自分もコミュニティの一員として全力で貢献していきますので、ぜひ楽しみにしていてください!

Facebookグループ募集!

あと本当に最後に!
評価経済時代のブランド創りを考える、Facebookグループを作りました!
ブログの内容に関するディスカッションや、事例や情報の共有&ディスカッションを、ゆる~くやっていこうと思います。
 
もし、今回のブログにご意見やご質問ある方や、興味のある方がいれば、以下の2つの質問に答えてグループへの申請をお願いします!
 
①どのような仕事・活動をしているか(企業名マスキングで大丈夫です)
②なぜグループに入りたいのか
 
▼申請はこちら
 
退会は自由ですので、ご興味あるかたはぜひ!
 
 
非常に長くなってしまいましたが、最後までお読みいただいた方どうもありがとうございました!
今後もよろしくお願いいたします。